BDAstyle

ビジネスデータ分析ツールの作成 with Excel

相関係数の計算 with Excel 1/3[クラメールの連関係数]

クラメールの連関係数・相関比・スピアマンの順位相関係数

ここでは,ピアソンの積率相関係数数量データ×数量データ)以外のさまざまな相関係数を求めます。最初に,カテゴリデータ×カテゴリデータの場合に用いるクラメールの連関係数(このページ)を,次に数量データ×カテゴリデータの場合の相関比を,そして最後に順序尺度に関するスピアマンの順位相関係数Excelで計算します。


相関係数の計算

クラメールの連関係数

Step 0シチュエーションの設定

東日本と西日本の境界を隔てるA地域とM地域にいくつかの店舗をもつ飲食店Xがあります。このたびXでは,提供する料理の風味が従来品とは異なるSを,新メニューとして採用することを検討しています。ただ,両地域での画一的な商品展開には,嗜好の違いも想定されることから躊躇されるところもあります。

そこでXでは判断の一端として,現場の全ての従業者の感覚を大切にしてみたいと考えました。勤務シフトの異なる多忙な従業者に対し,一定の期限までに都合のついた最低限の質問は… 次の1点です。

  • 商品Sが地域の顧客に受容されると思うか(おおいに・ふつう・まったく)

この質問に対する回答を,地域別にクロス集計したものが次の表です。

一瞥したところ,従業地と受容についての予測には関連が見られそうです。

そこで,Xではこれがどの程度のものか,指標として確かめてみたいと考えました。以下,このデータをもとにクラメールの連関係数を求めます。

Step 1準備

「実測度数」表の直下に,下図と同様の表組みを作成します。中段の表は期待度数を,下段のそれにあってはピアソンのχ2(カイ2乗, 以下に同じ)を求めるために利用します。

またこれらと合わせて「χ2」「クラメールの連関係数」の各見出しも用意しておきます。

DL

Step 2期待度数を求める(1)

「期待度数」表のデータ範囲にいう最も左上のセルに,下の式を入力します。

セルC11 =$F4*C$6/$F$6

この式は,「実測度数」表に関して

当該行計 × 当該列計 ÷ 総計

といった構造になっています(複合参照するセルと絶対参照するセルがあります)。

これにより,関連がまったくないと仮定したときの,総人数(総度数;ここでは134人)に占めるであろう各セルの人数(たとえば,セルC11であれば「A地域」[63/134]であって回答が「おおいに」[48/134]である人の数[(63*48)/134])を求めることができます。

入力したのち,これを「期待度数」表すべてのデータ範囲にコピーします。

[セルC11]=$F4*C$6/$F$6

Step 3期待度数を求める(2)

「期待度数」表の下図彩色による強調部分を選択した状態でオートサムボタン(Σ)をクリックし,行計・列計を一度に求めます。

[選択範囲]C11:F13

Step 4ズレを計る(1)

「ズレ」表のデータ範囲・最も左上のセルに,下の式を入力します。

セルC18 =(C4-C11)^2/C11

「実測度数」「期待度数」両者の“ズレ”を知るための式として,両表で相対するセルの差の2乗をとって,これを先の期待度数で除すといったかたちがとられています(ピアソンのχ2の計算式の一部)。

入力したのち,これも先と同じように同表すべてのデータ範囲にコピーします。

[セルC18]=(C4-C11)^2/C11

Step 5ズレを計る(2)

「ズレ」表の下図彩色による強調部分を選択した状態でオートサムボタン(Σ)をクリックし,行計・列計を一度に求めます。

[選択範囲]C18:F20

Step 6ズレを足し合わせて χ2 統計量を求める

「ズレ」表の彩色による強調部分(下図)がχ2統計量(ピアソンのχ2)です。

…より明示的に,ここではこれを表の直下に転記したいと思います。

Step 7クラメールの連関係数の計算

χ2統計量をもとにクラメールの連関係数(V)を計算します。これは次の式で求めることができます。

V=\sqrt {\dfrac {\chi^{2}} {n \left( \min \left[ k,l\right] -1\right) }}

n:総度数, k:クロス集計表の行数, l:クロス集計表の列数

この式をExcelの計算式として下式のように落とし込みます。

セルD24 =SQRT(D22/(F6*(MIN(2, 3)-1)))

Step 8クラメールの連関係数・計算完了

相関係数は0.51となりました。

なお,クラメールの連関係数は,0から1の値をとります2変数の関連において,0に近いほど弱く,1に近いほど強いと考えます。

参考にした書籍

Next

次頁は「相関比」の例です。

この係数を計算できるexcelアドインソフト

その他の参照