Excel で「数式ツール」を使わずに x̄ あるいは p̂ 記号を表示させるための手続き
Step 0- 1イントロダクション
Excelでx̄あるいはp̂といった記号をシート上に表現する必要があるとき,組み込みの機能「数式ツール」が利用できます。これによる数式は見た目も美麗でなかなかに優れます。ただ,「数式ツール」によって挿入される記号はあくまでグラフや図形と同じ“オブジェクト”の扱いなので,シートを管理する意味ではそれ特有の面倒な要素をも甘受しなければならなくなります。
翻ってこのページでの手続きは,美麗さという点では劣るものの,「オブジェクトはあんまり入れたくないんだけど」といった方針を持つ場合には好適かもしれません。
Step 0- 2注意点
- windows環境での手続きです。
- 筆者周辺の限られた環境でいくつかの試行錯誤を経て“なんとなくかたちになった”方法です。正直,「何故こうなるか」といったリクツが把握できていない部分もあります。したがってこの方法はすべての環境において普遍的と言える根拠を持つものではありません。
- 転じて,環境によってはもっと簡単にできることも,あるいはより困難となることも,はては適用そのものが不可能となることも想定できます。たとえばより簡単となる例として,How to type x-bar & p-hat in Excel, Word for Statistics (Windows/Mac) ―"YouTube" が分かりやすいと思いますが,こちらではよりシンプルな手数でタイプをなしえています(筆者の環境では再現できませんでした)。このあたりの背景について,筆者は答えを持っていません。
工程
x̄ (エックスバー)
case1-Step 1必要なフォント
x̄の入力には,環境に次のフォント
- Arial Unicode MS
- MS Reference Sans Serif(ただしStep 7の方法のみ対応可)
のいずれかがインストールされている必要があります。
case1-Step 2xの入力
ユーザーの環境の任意のフォントで,任意のセルに「x」をタイプします(下の例ではYu Gothic UIを使用)。そしてそのまま入力モードを保持します(カーソルを点滅させたまま)。
case1-Step 3記号と特殊文字
挿入タブ記号と特殊文字ボタンをクリックします。
case1-Step 4文字コード“0304”
「記号と特殊文字」ダイアログが開きます。その下方「文字コード」に0304と入力し,挿入ボタンを返します。
case1-Step 5Arial Unicode MS
この作業によりxに並行してオーバーライン様記号(マクロン)が挿入されます。次にこのセルを選択した状態(入力モードでも編集モードでもない状態)から
フォントを,
- Arial Unicode MS
に変更します。
case1-Step 6完了
目的としたx̄のタイプができました。一度この状態を仕上げさえすれば,
これを任意の欧文フォントに変更しても,いちおうの体裁が保たれます。いちおうのと加えるのは,おそらくマクロンそのものにはフォントの変更が反映されないことにあります。それゆえ,フォントの組み合わせによってはハマリがわるいことも多々あります。
同じセル内で日本語フォントと混在させることも,もちろんできます。
case1-Step 7その他の方法)MS Reference Sans Serif
参考までに,x̄の場合には,上の手順のような文字と記号を“結合する”方法でなく,
- MS Reference Sans Serif
のコードf7c2を使う手もあります。
p̂ (ピーハット)
case2-Step 1必要なフォント
p̂の入力には,環境に次のフォント
- Arial Unicode MS
がインストールされている必要があります。
case2-Step 2pの入力
ユーザーの環境の任意のフォントで,任意のセルに「p」をタイプします(下の例ではYu Gothic UIを使用)。そしてそのまま入力モードを保持します(カーソルを点滅させたまま)。
case2-Step 3記号と特殊文字
挿入タブ記号と特殊文字ボタンをクリックします。
case2-Step 4文字コード“0302”
「記号と特殊文字」ダイアログが開きます。その下方「文字コード」に0302と入力し,挿入ボタンを返します。
case2-Step 5Arial Unicode MS
この作業によりpに並行して山形記号(サーカムフレックス)が挿入されます。次にこのセルを選択した状態(入力モードでも編集モードでもない状態)から
フォントを,
- Arial Unicode MS
に変更します。
case2-Step 6完了
目的としたp̂のタイプができました。一度この状態を仕上げさえすれば,
これを任意の欧文フォントに変更しても,いちおうの体裁が保たれます。いちおうのと加えるのは,おそらくマクロンそのものにはフォントの変更が反映されないことにあります。それゆえ,フォントの組み合わせによってはハマリがわるいことも多々あります。
同じセル内で日本語フォントと混在させることも,もちろんできます。